柳縞‐やなぎじま‐(KK01sm-ek07.zip)
¥300
「縞(しま)」は幾何構成模様のひとつで、平行する線によって構成されます。
「柳縞(やなぎじま)」は柳の枝を縞状に配置した文様で、江戸小紋などで用いられています。
「柳(やなぎ)」は繁殖が早く生命力が強いことから神霊が宿る瑞祥の植物とされてきました。また、厳しい状況でも折れない精神や、人間のしなやかさ、女性の美しさや優雅さを象徴することもあります。
長寿を約束する植物とされ、簡単に折れないことから祝箸の材料にも使われています。
縁起のいい漢字をあてて「家内喜(やなぎ)」とすることもあります。
中国ではしなやかな柳の枝を環状にして旅人に送る風習があります。「環」は「帰る」の「還」に通じ、「柳(liǔ)」という音が「留(liú)」と似ていることから、「あなたが安全に帰ってくるまで待っている」という気持ちや、柳の生命力にあやかり「無事に戻ってきてほしい」という願いが込められています。
日本でも正月の朝に邪気や悪霊が家に入ってこないように柳の枝を門口に挿す風習や、初釜の床飾りで「結び柳(むすびやなぎ)」や「綰柳(わんりゅう)」という柳の枝を結び飾ることがあります。これは、柳は春に芽吹く植物であり、新しい始まりや繁栄を象徴したり、新年の繁栄や幸運が「留まる」ように願う意図が込められています。
また、「柳(liú)」は「竜(lóng)」に音が通じるものとして科挙に合格する登竜門にあやかり、橋のたもとにある柳の枝を一枝折って子に与え、竜(柳)になれと子を励ました故事があります。
日本では「柳に桜(やなぎにさくら)」や「柳に流水(やなぎにりゅうすい)」「柳に鷺(やなぎにさぎ)」「柳に燕(やなぎにつばめ)」「柳に梅(やなぎにうめ)」「雪持柳(ゆきもちやなぎ)」「柳に蹴鞠(やなぎにけまり)」など多数の取り合わせがあります。
「柳に蹴鞠(やなぎにけまり)」は鞠庭の四隅に式木という4本の木(松・西北/ 柳・南東/桜・北東/楓・南西)が植えられていることが由来になっています。また、木偏に卯と書くことから、五行思想で春や東の方角を表すこともあります。
その他にも、桃山時代に流行した「柳橋水車(りゅうきょうすいしゃ)」は橋と柳、水車、蛇籠などを配した文様で、京都の宇治川のイメージともいわれ、和歌びも詠まれた情景です。
水辺のイメージがあり、夏の着物などにもよく用いられています。
参考文献
中島泰之助『別冊 日本の文様③縞・格子』光琳社出版(1978)
尚学図書・言語研究所『文様の手帖』小学館(1987)
木村孝『和の意匠にみる文様の名の物語』淡交社(2005)
並木誠士『すぐわかる日本の伝統文様‐名品で楽しむ文様の文化‐』東京美術(2006)
藤井建三『格と季節がひと目でわかる きものの文様』世界文化社(2009)
公益財団法人 日本吟剣詩舞振興会『漢詩を紐解く! 』(2022)
藤依里子『日本の文様 春夏秋冬花尽し』芸術新聞社(2022)
※高品質の文様をお客様に提供するよう努力しておりますが、文献などには諸説があります。そのため、最新性、正確性、有用性などを保証するものではなく、その内容により、お客様または第三者が被った損害につきましては、一切の責任を負いません。ご了承ください。
※こちらの価格には消費税が含まれています。
※こちらの商品はダウンロード販売です。(32842232 バイト)
【データ内容】
●Pattern.jpg/A3サイズ程度・解像度350dpi・シームレス・アンチエイリアスなし
●Pattern.png/A3サイズ程度・解像度350dpi・シームレス・アンチエイリアスなし・背景透過
●Pattern.svg/シームレス・プレゼンテーション属性
●Swatch.png/50〜150mm程度・解像度350dpi・シームレス・アンチエイリアスなし
●Card.eps/Adobe Illustrator CS6以降対応・ベクタースウォッチ内蔵
●Card.pdf/A4サイズ・文様解説・簡易版利用規約
【利用範囲】
加工自由/商用利用可/使用報告・申請不要/通常使用時クレジット表記不要
複製禁止/二次配布禁止/商標・意匠登録禁止